Cafe de Panchito blog

西村秀人によるアルゼンチン、ウルグアイほかラテンアメリカ音楽について
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気になる最新アルゼンチン音楽CDご紹介 2012.11

ちょっと興味深いアルバムが登場したので、ご紹介。

“Avantgarde Buenos Aires”(アルゼンチン盤、ACQUA AQ347)
Avantgarde BsAs 512

やっと出た! 待望の1枚なのである。
今年5月、カルロス・アギーレと初来日を果たしたキケ・シネシ氏と、東海~関西ツアー中移動の車中でいろいろなことを話したのだが、そこで出たのが新しいプロジェクトの話で「タンゴやっているよ」と聞いてびっくり。
一体何かと思ったら、リーダーのエステバン・モルガード(ギター)がダウンしたので、彼のクアルテートのエキストラをつとめたのがきっかけで、メンバーと気が合い、別に活動し始めたのだという話だった。
 今回のアルバム「アヴァンギャルド・ブエノスアイレス」はまさにそのグループの成果である。モルガード・クアルテートのメンバーであるワルテル・カストロ(バンドネオン)とオラシオ・モノ・ウルタード(コントラバス)に加え、ドラム・パーカッションのファクンド・バレイラが参加している。つまりモルガード・クアルテートの正メンバーであり、フォルクローレ畑でもよく活躍しているバイオリン奏者キケ・コンドミは参加せず、代わりにドラムを加えているのだ。しかしこのキルメス生まれのバレイラがなかなか変わったアーティストで、ディノ・サルーシとの共演歴もある若手の優秀なドラマーなのだが、何と「ブラーボ・ブエノスアイレス」という伝統的なタンゴを演奏するグループではバンドネオン奏者として活躍しているのだ!! かなり珍しいケースである(もちろんキケとのグループではドラムとパーカッションのみを担当、一応こちらの楽器がメインらしい)。
 もともとモルガードもジャズ畑からタンゴに来た人でもあり、彼のクアルテートでの演奏も自由度が高いものだが、今回のキケのプロジェクトではさらに全員がたっぷりソロを展開、非常にキケ・シネシの色が濃い音楽に仕上がった。正直言ってあまりタンゴの色は強調されていない。時としてかつてエドゥアルド・ロビーラのトリオがやっていた音楽を髣髴させるところもあるが。
 バンドネオンのワルテル・カストロは即興もきちっと出来る逸材で、モルガード・クアルテート以前に、キケ・シネシとは長年パブロ・シーグレルのグループで一緒に演奏している仲でもある(...実は今我が家にあるバンドネオンは今から20年ほど前、若手の四重奏で来日していたワルテル・カストロから譲ってもらった楽器なのだった)。彼のバンドネオンは今回のプロジェクトのサウンドのキーポイントになっている。
 「アヴァンギャルド」なんてアルバム名つけちゃって...と思っていたが、本当にかなりアヴァンギャルド、全員弾きまくっている。曲目はアストル・ピアソラの「レビラード」以外はすべてオリジナルで、1曲がモノ・ウルタード、1曲が全員による即興である他、キケ・シネシとドラムのファクンド・バレイラの作品。まったく自由なアドリブ・パートを含む作品も多い。でもはっきり言って、この流れだとピアソラ作品がすごくまともにおとなしく聞こえてしまう。
 もともとエキストラでタンゴ・グループに行ったことが出発とは思えない、グル―ヴィーでフリーな世界が展開される。キケさん、やりたい事やったなあ...という感じ。でもいくらはめをはずしたように見えても、キケさん独自の端正な響きや正確さは健在なのが素晴らしい。(HIDETO NISHIMURA)
【 2012/11/17 (Sat) 】 CD/DVD新譜 | TB(-) | CM(-)
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